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リフレッシュできる

仕事や家庭で嫌なことがあったとき、どうやってそのストレスを解消していますか?

美味しい物を食べる。カラオケで大声で歌う。お買い物に行って新しい服を買う。色々ありますね。

それでスッキリして明日からまた元気に頑張ろうと思えたならいいのです。でも、食べすぎたり、衝動的なお金の使い方をすると、あとからもっと気分が沈んでしまうことも、ありそうですね。

そんな時、あなたにぜひおススメしたい「現実逃避術」があります。それがマクラメです。

 

マクラメを始めたら、おそらく誰でも、ほとんど強制的に手元に集中してしまいます(ワークショップやレッスンの様子を見ていると、そうとしか思えないのです)。実際にレッスン中、生徒様が手元の作業に没頭しているために誰も何も話さなくなってしまう時があり、そんな時間をわたしは『黙々タイム』と呼んでいます。それは、圧迫されるような恐ろしい静けさではなく、眉間にしわを寄せて内にこもっているようなのとも違い、生徒様おひとりおひとりが自分の中の空をリラックスして自由に羽ばたいているような、何とも言えず穏やかな時間です。

普段であれば、一緒にいるのがどんなに親しい知人だとしても無言の時間というのはなんだか気まずいものですが、 レッスン中はその場にいる人だけでなく自分の存在すら忘れてしまうようです。それくらいマクラメというのは手元に一心に打ち込んでしまう経験なのです。

 

マクラメ制作の大部分は、シンプルな動作の繰り返しでできていますので、この ”ゆらぎのある単純な繰り返し” による一定のリズムも心を落ち着かせるのに一役買っているようです。また、スマホの中に世界のすべてがあるかのように情報が溢れかえる現代において、ひもの手触りというはっきりとした身体感覚が、バーチャルな世界を遠ざけ、実感を伴う現実に自分を結び付けてくれる効果もあるのではないでしょうか。

 

ひもを結ぶという作業の繰り返しに集中し、完成までの過程に没頭し、時間も環境も日常のあれもこれも全部忘れちゃう。ひと区切りつく頃には「あれ?さっきまでモヤモヤしてたけど、別に大したことじゃなかったのかも」と思えるかもしれません。

 

それに加えて、20代から70代まで幅広い年齢層と、茨木市だけでなく大阪市・北摂地域のあちらこちらから生徒様が集まる教室ならではの世代を超えた交流があります。レッスンが終わると、和気あいあいとしておしゃべりが盛り上がることもありますよ。それもまたとても愉快な時間ですから、わたしも一緒に楽しませて頂いています。

 

マクラメって、ひも同士を結ぶだけでなく〈手と脳〉〈わたしとリアル〉〈(年齢や地域を超えた)あなたとわたし〉も結んでくれるようです。なかなか味わえないこの感覚、ぜひ試してみてくださいね!

 

 (参考文献 『触楽入門~はじめて世界に触れるときのように』テクタイル など 敬称略)